朝、子供が起きられないで遅刻する。原因と予防と対策

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朝、子供が起きられない理由

「早く起きて学校へ行きなさい」
学生のころ母親から浴びせられた言葉を、今は子供に浴びせてる。「親の因果が子に報い〜」ということではないでしょうが、朝なのに、子供がなかなか起きて来ずにイライラする光景は、遺伝するような気がします。

睡眠不足が大きな原因だけど

夜更かしの子供が増えている

全ての家庭の子供がそうなるわけではありませんし、同じ家庭にあっても兄弟姉妹で性格・習慣・体質は違うものです。毎朝きっちりパッチリ眼を覚ます子供が少ないわけではないのですが、起きられない子供は実際に多くあります。とくに現代は、塾で遅くなったり、ゲームに夢中になったりして、夜更かしが常態化している実情があります。その結果、朝に起きられない子供が増加してるのです。

ある機関が取った『子供(小学生から高校生)の夜更かしや遅刻に関するアンケート』があります。それを読むと、遅くまで起きている子供の実態が見えてきます。小学校5・6年生は自立心が芽生え始める年頃。夜更かしもこの辺りからかと想像してましたが、実際は小学4年生くらいでも6割強が高い頻度で夜更かしして夜遅くまで起きています。夜更かしをまったくしない子は、1割程度におさまってます。逆に、「夜更かししたことのある子供」の数は、中学になると8割、高校生となれば9割近くまで上昇します。高校生においては、実に半数弱もの人が、夜更かしで遅くまで起きていると答えてます。常態化してるんですね。

睡眠開始時間が遅くなった夜。翌朝の目覚めがつらいのは当然です。いつものように起きるのでは、睡眠時間が足りませんから。目覚まし時計どころか、保護者にゆり起こされれても寝坊です。起床する時間が遅くなれば、学校に遅刻してしまう結果が待ってます。どれほど眠かろうとも、学校は子供個人の到着を待ってはくれません。

Q:「小学4年生へ。寝坊して遅刻したことがあるか」
A:「よくある」 1.8%

子供の睡眠不足

夜更かしへの意識変化

面白い。というか意外なことですが、夜更かし時間に関して、昔より改善されているというアンケート結果が存在します。改善されているのなら睡眠時間が足りてそうですが、そちらは改善されておらず不足のままです。相変わらず遅刻のほうは増える傾向が続いてます。

明らかな矛盾であり意味がわかりませんが、推測することは可能です。どうも「夜更かし時間」の概念が、後ろに後退しているのが矛盾の正体のようです。たとえば夜が遅いと感じる時間帯が、昔は9時だったのに、現在は10時以降になっているということのようです。夜更かし時間を「1時間」と仮定すれば、昭和には10時には寝ていたのが、平成の寝入り時間は11時・・・という感覚でしょうか。私が小学生の頃は、8時からは、大人の時間という意識がありました。アニメ時間帯が終わり、太陽にほえろなどのドラマが始まる時刻です。

当人が遅い時間と感じた時間が「夜更かし」ですから、個人差をなくすためには、アンケートを「何時までおきてる?」という言葉に替えるべきですでしょう。もしくは「何時を夜更かしと思うか」という質問を加えるとかです。

子供にもある睡眠障害

眠れない病気とは

遅刻がどうのこうのいう年令に達する以前から、子供が寝付いてくれないケースもあります。赤ちゃんの夜泣きがそれです。

寝かしつけに苦労したり、寝付いたとしても夜泣きで起こされる。可愛いわが子のこととはいえ、睡眠を削られる親としては、イライラが募ってしまいます。特に自閉症やADHDなどの発達障害では、二次障害としての睡眠障害に悩まされることが多くあります。睡眠障害とは、眠りに何らかの問題がある状態のこと。大人におこるイメージですが、子供の睡眠障害は、心身の育成を機会を疎外してしまいます。困ったことですが、早期の適切な対処でよくなることもあります。

生まれたての子どもは、ほとんど寝てすごしますが、起きたとしても短時間。睡眠サイクルがとても短いのです。それが少しずつ長くなって、乳児期から3歳くらいまでの間に睡眠リズムを確立します。赤ちゃんの眠りは浅くて未成熟です。大人と違って夜泣きをすることも多いことは、ある程度は当たり前です。でも3歳以降になっても睡眠に問題があるのなら、改善の必要があるでしょう。睡眠障害の状況が長く続けば、眠れないー起きられないという悪循環を生み、障害や日常生活に更なる影響が出てしまうこともあります。

子供の睡眠障害が疑われるとき

眠りになんらかの問題があるのが睡眠障害。不眠症のような「眠れない」イメージが強いでしょうが、眠りすぎやいびきなども含めまれます。寝ているようにみえてもそうでない、質と量にまつわる深くて広い問題です。子どもに見られる症状の目安は以下のとおり。ひとつでも当てはまる場合は睡眠障害の可能性があります。

1 夜間の睡眠中に何度も目を覚ます
2 強くいびきをかく
3 昼間は不機嫌でイライラしている
4 よく泣く
5 保育園や幼稚園に行きたがらない
6 よく頭痛や腹痛をおこす
7 1日中、眠い様子がみられる
8 朝、起きて学校に行くまでにぐずぐず時間がかかる
9 土曜・日曜日・休日はお昼までずっと寝てる
10 成績や部活の伸びが止まってしまった、逆に急激に伸びた

最後のケースは、がんばって勉強しているということです。眠れないから勉強してる・勉強しすぎて寝ていない。どちらにしても結論は同じです。学校に通う子供は、朝起きることができず、遅刻が多くなり、やがて学校にも行けなくなることがあります。引きこもりの原因にもなるのです。

このような睡眠時間や睡眠中に起きるのも問題ですが、それだけではありません。睡眠とまったく関係なさそうな行動も、睡眠障害が原因となっているかもしれません。子供の睡眠が良質かどうかを見極めるのはカンタンなことではありません。それでも、普段の様子や生活から異変を感じ取ってあげてください。以下のような目立つ様子が見られるときも、睡眠障害が原因となってる可能性があります。

・夜中に突然大声で叫んだりパニックを起こす
・ムズムズ感や違和感や痛みが手足に走って眠れない
・夜中に歩き回る
・夜は普通に寝てても、日中眠そうだったり居眠りしたりする
・寝る時間が遅くて不規則な生活が続いてるが、どうにも直せない
・睡眠が足りず、頭痛や体調不良が続いている
・落ち着きがない

睡眠障害の種類はこんなにある

少し触れましたが、「眠れない」だけが睡眠障害ではありません。ほかにも、さまざまな症状や病気が含まれます。代表的な睡眠障害には次のようなものがあります。

・不眠症
 睡眠が不十分な状態をいいます。寝ている時間も重要ですが、布団に入ってから睡眠の深さも大切です。寝つきが悪い・朝早く起きてしまう・眠りの質が悪いなどなど。このような睡眠不足が続いてしまうと、「なんとなく調子が悪い」といった不定や愁訴(苦しみや悲しみなどを嘆き訴える)や、頭痛や腹痛をおこしたり、不機嫌やイライラの原因になります。

・過眠症
文字は「眠りすぎ」という印象がありますが「いくら眠っても寝足りない」と言った方がわかりやすいでしょう。ちゃんと夜に寝ている。にもかかわらず、日中、あらがえないほど眠くなるのです。低年齢の子どもは昼寝を必要とします。体力が無いので疲れやすいということもあります。それでも、睡眠の時間は取っているのにひどく眠そうだったり、ずっと寝ているようであれば、何かの病気が関係している可能性も疑えます。

・概日リズム睡眠障害
一日は24時間ですが、人間の体内時計は25時間という説があります。最近の知見では24時間10分というのが有力です。また、個人や生活スタイルによって体内時計には差があるし、それもまた変化の可能性もあるという指摘もあります。いずれにしても、24時間きっかりではないので、ズレて行くのは常識のようです。見出し挙げた「概日リズム睡眠障」というのは、昼夜のリズムと体内時計がうまく合わず調節が困難となり、睡眠リズムがくずして社会生活に支障をきたす状態のことです。子供が朝起きられないと、園や学校に遅刻して不登校につながりやすい問題が、現実としてあるのです。

・いびき/睡眠時無呼吸症候群(SAS)
イビキをかくのは大人だけではありません。子どもが、いびきや無呼吸をおこすのは、のどや鼻の奥のリンパ組織の肥大で、物理的に気道が狭まることが、主な原因です。具体的には、鼻づまり、アデノイド・口蓋扁桃などですが、肥満で気道が狭くなることもあります。子供にあるいびきや無呼吸は、正常な睡眠や成長に悪影響を及ぼすことがあります。

呼吸がしにくいために、血中酸素濃度が低下します。寝ているつもりであっても、脳のほうは何度も目覚めてしまうので、十分に睡眠がとれなくなているのです。SASが長時間続けば、慢性的な低酸素症を招きます。精神遅滞や、深い睡眠がとれないことによって、成長ホルモンの分泌低下に伴う低身長など発達のさまたげになるおそれもあります。

満足できる睡眠がとれない運動障害

・むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
脚などの下肢が、むずむずするなどして動かしたい強い衝動を覚えます。夜間などの睡眠時間帯に起こりやすく、気になって眠れなくなることもあれば、そこまでいかなくても、深い睡眠を無意識にさまたげます。よくあるのは下肢ですが、背中や顔などに違和感が生じることもあります。

原因として考えられているのは、ドーパミン(脳内の伝達物質)の機能異常です。子どもでは、鉄分の不足を原因とする場合が多いようです。鉄分の多い食事やサプリメントを摂ることで改善することもあります。子どもの「むずむず脚症候群」は成長痛と間違われやすいようです。

・律動性運動障害
入眠時や睡眠中に手足や頭を激しく動かしたり、頭を打ち付けたりする運動障害です。乳幼児から4歳くらいまでの時期に発症する睡眠障害で、9ヶ月の子どもの59%の見られるというように、乳児期には非常に多い症状です。発症する子供の人数はだんだん減少していき、5歳前後には5%以下になります。しかし、知的障害や自閉傾向にある子どもに関してだけは、後年まで症状が残ることもあります。

・睡眠時随伴症
「眠れない」障害とは異なるのですが、寝ている最中におこる変な行動のことです。詳しくいうと、「睡眠中の異常行動や不快な身体的現象の総称」ということで、「寝ぼけ」もこの仲間となります。睡眠時随伴症の症状には次のようなものがあります。

寝ぼけ   がばっと上体を起こしたりしゃべったりする
睡眠時遊行症(夢遊病)   睡眠中に歩き回るが、覚醒後には覚えていない
睡眠時驚愕症(夜驚症)   恐怖の叫びをあげたり、泣いたりして目覚める
悪夢障害   睡眠中に恐怖や不安をともなう生々しい夢をみる

オカルト映画の題材にされそうな事例ですが、実際、重症なものになると本人や家族を悩ませることがあります。医学の発達してない時代。悪魔とか狐が憑いたといって「お祓いをしたくなる」気持ちが分かるような、恐さがありますね。ほとんどは思春期までになくなるので、悪魔祓いは料金のムダです。

原因と言われているのは、遺伝やストレス、外部からの刺激です。原因を特定して、ストレスや刺激を取り除くのが重要ですが、症状が出ているときにはケガしないように見守りましょう。

子供の睡眠不良を取り除く

原因を作らないこと

「寝る子は育つ」と言われるくらい、ぐんぐん大きくなっていく子ども。心身の成長には、良質な睡眠は必要不可欠です。不眠が重くなれば病院で治療しますが、軽度の、睡眠障害や生活リズムの乱れであらば、家庭での工夫で改善できすこともあります。睡眠障害の改善は、家族の生活の質の向上にもつながるので、早期に取り組むことが大切です。

体内リズムを整える

朝、光を浴びることで体内時計がリセットされます。 これは気分的なものではなく、「メラトニン」というホルモンの分泌が止まるからです。メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、夜なると分泌して眠気を誘います。メラトニンが正常に分泌されなくなるのも、不眠症などの睡眠障害を引き起こす要因です。面白いことに、メラトニンの元になるのは、脳内の神経伝達物質「セロトニン」。セロトニン不足はうつ病の主要な原因として考えられているので、ここにも、眠れない連鎖があったのです。

毎朝、起きたら窓を開けて、太陽の光をあびる。これだけで毎日早寝早起きのリズム作る基礎が生まれます。そして朝食を食べて行動。昼寝の時間や長さも大切です。日中でも適度に疲れていると眠くなります。変な時間に寝ないために、外で身体をうごかすなども心がけます。

また、夕ご飯やお風呂が遅くなるとか、だらだらとテレビを見ることも不眠につながります。親の都合で子どもの生活リズムが崩れることのないように気をつけたいものです。

入眠儀式をつくる

かつて有名になった五郎丸ポーズ。「これをすれば成功する」という、気持ちを切り替えるためのルーティンを睡眠前に用意してみましょう。寝る前には着替えて歯を磨く、絵本を読むなどの決まりごとをつくります。毎日同じ習慣や手順で眠りに就くのが大事なポイント。自然と寝るモードに気持ちが変わって、寝つきがよくなります。どんなことをすると眠りやすいだろうか。探りながら見つけるのも親の楽しみです。コレというのがあれば毎日繰り返し「おやすみの儀式」にしましょう。

寝る環境を整える

睡眠には、寝室の環境も影響します。ごちゃごちゃした忙しない場所では、寝ろと言われて眠れるものではありません。落ち着いて眠りにつける空間づくり、朝起きやすくなる工夫。相反するようですが大丈夫です。

布団やベッドは、日当たりのよい場所に置きます。遮光性の高いカーテンで外の光をシャットアウト。朝決まった時間に開け、起床時に日光を浴びるようにします。インテリアには落ち着いた色合いそろえます。淡い青や黄色、アースカラーなどが穏やかでいいですね。興奮色と言われる赤や紫を基調にするのは避けます。

不安を感じやすい場合や光に敏感な場合は、天井に布などを吊って天井を低くしたり、照明を和らげると効果があるようです。また、お気に入りのものを置いたり、囲って個室のようにすると「自分のスペース」と安心できる場合もあります。

入眠する数時間前からは明るい照明は避け、テレビやスマホも使用しないほうがよいようです。せっかく寝ようとしても、隣室などから大人の楽しそうな声やテレビの音が聞こえると、目が覚めてしまいます。子どもが静かで落ち着いた雰囲気で眠りにつけるよう、環境づくりを工夫しましょう。

気分転換とリラックス

どうやっても寝つきが悪い時は誰にでもあります。無理に寝かせるのは逆効果になることがあります。思い切って起きてみるのはどうでしょうか。部屋を明るくして、気持ちを切り替えるのです。外に出てみる・好きなことをする・音楽をかける・本を読む。一度、気分を切り替えることでスッキリ落ち着き、意外と眠くなってくるものです。

子供の寝不足

重くなれば病院で診てもらうことに

睡眠障害の治療法とは

子どもの睡眠障害は、大人以上に悪化させてしまうことがよくあります。親の理解不足から、大したことではないと放っておいたり、理解はあっても相談先が分からなかったり。そのうち時間ばかりが過ぎて悪化してしまうのです。

「うちの子ども眠りが変かも」。気がかりなことがあるようなら、抱え込まないことです。まずは、かかりつけの小児科や地域の保健センターに相談すれば、専門機関や対処を教えてくれるはずです。とくに乳幼児期は、子どもの心身が発達する時期。後戻りはできない年頃なので、早めに対処することが重要です。

医療機関での代表的な治療法は

生活指導
子どもは、親の生活習慣の影響をとても受けやすくあります。そこで、家族全体の生活習慣を見直したり、夜泣きへのかかわり方などについての指導といった、行動療法的なアプローチが有効となります。

睡眠に関する知識を親に正しくつけてもらい、睡眠環境や生活リズムを整えることで適切な睡眠が得られるようにしてくれます。

薬物療法
メラトニンやドーパミンを薬で調整するという、薬物による治療法があります。医師の治療方針やケースにもよりますが、生体リズムの改善に有効な手段です。原因となってるのが緊張や不安であった場合は、和らげるための薬が処方されることもあります。

高照度光療法
上記の、生活指導や薬で改善しない場合など、まれに行われるものです。朝に強い光を浴びるろ体内時計がリセットされる。メラトニンの話にもありましたが、この仕組みを使った治療です。朝、身体の中心部の体温が上昇し始める時間に、5000ルクス以上の人工的な明るい光を浴びるという治療です。設備のある施設に入院することになりますが、1か月以上もかかることがあります。

心のストレスとカラダの悩み