大人の幼児退行について

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心が子供に戻ってしまう病の原因

幼児退行という言葉があります。よくあるのが子供の赤ちゃん返り。弟や妹ができたことで、独占していた母親をとららように感じた子が、なんにつけても甘えてしまい、手がかかるような現象です。 子供であれば「可愛いね」で終わりますが、大人に同じことがおこるケースもあります。自律し、責任をもって仕事についている大人が幼児のようになってしまう。その原因はどこにあるのでしょうか。

幼児トラウマ

どうして?大人の幼児退行

じつは自己防衛機能の一種

「幼児退行」「赤ちゃん帰り」さまざまな言い方があります。 幼児退行とは一体何だと思いますか。どのような心の状態だと想像するでしょうか。間違いを恐れずに一言で言うとすれば「弱った自分を保護して欲しい」という欲求ではないかと思います。

話し方や洋服の好みが幼くなったり、ダダをこねてみたりたり。まるで子供のような振る舞いをしてしまうのが幼児退行です。冒頭にも書いたように、弟や妹が産まれて、お兄ちゃんやお姉ちゃんになったはずの子供が、赤ちゃん帰りしてしまうのがよく見られるケースです。

幼児退行は子供に多い症状です。子供だけに限ったことではなく、いい年の大人や高齢者にも見られる行動です。周囲から愛されたいという欲求を満たしたい思いが、幼く振舞う行動へと転換させているのです。愛に飢えている状態と言い換えることもできるでしょうか。過度のストレスや精神的ダメージにサラされて弱くなってしまった自分を守って欲しい。そんな欲求の現れでもあるようです。

当然ながら周りの人も気にしますので心配と気遣いをみせることもあります。そうした優しい態度も最初のうちで、いつまでも続く幼児退行に慣れてしまいます。やがては飽きたり呆れたりして、叱ったり批判をする方向に傾くというの、多くの対応です。そのことで本人の幼児退行は更に悪化に向かってしまうという、悪循環に落ち居てしまう事がよくあります。

幼児期の心理と体験

幼児退行には、3〜4歳までの体験が大きく影響されると言われています。その年令の頃の親の対応が精神の奥底に根付いてのです。親が、忙しさのあまり何かをしながら「ながら世話」をしていていた。適当にあしらわれいた。話を聞いてもらえなかった。そうした体験等が影響しているというのです。

誉めてもらいたがった事を肯定されない子供。自分の存在や言動を認める事をしてもらえなかった子供。ちゃんと自分にコミットしてもらえない子供は、自分にもっと注意を引こうと、幼児のように戻って注意を引く行動に出てしまうことがあります。

生後2歳ごろまでの子供は、親から離れる事に対し、大人が思っている以上に不安を抱えてます。また、その時期は親にもっと甘えたいという欲求に加えて、外の友達と遊びたいという社会的な欲求も芽生え始める時期。複雑で微妙な感情を持ち始めています。

成長著しいこの時期は、親の愛情がとくに必要な年頃です。親は子供を肯定してあげることが必要な時期です。にも関わらず、たっぷりと愛情を注いでもらえなかった経験を持ってしまうと、その満たされない欲求は、大人になっても無意識のうちに残ってしまいます。

いつかは大人へと成長するのですが、大きくなってから長期的なストレスやプレッシャーにさらされたときには、現実逃避として自己防衛機制というのが働きます。無意識で心の安定をはかろうと、自我によって防衛を行う行動にでるのです。

心を護る防衛行動はさまざまありますが、その一つが幼児退行です。幼児の心に戻って現実逃避する行動に出たり、自分でも理解できないような衝動にかられたりすることもあるようです。それは、無意識によって心の操作をした副作用のようなものなのかもしれません。

怪我をしたときは手当てをすれば傷は塞がりますが、心の障害は誰にも見えません。本人も無意識であるため、その問題を解決するには、欲求が満たされなかった幼児期よりもさらに長い時間が必要になる事も多いようです。なかなか根深い問題となっているようです。

幼児退行とアダルトチルドレン

両者はまったくの別物

「幼児退行」と「アダルトチルドレン(AC)」はどちらも大人が子供の態度ておとることから、一緒だと思っている人は多いかもしれません。でも二つはまったくの別ものです。幼児退行とは、無意識に現実逃避や自己防衛機制によって、幼児のような行動をするものです。

いっぽうアダルトチルドレンは、育った家庭環境が機能不全の家庭だったために、身体は成長しても心の傷を持ったまま大人になっている状態の人を言います。また、アダルトチルドレンは病気には当てはまらず、むしろ精神疾患であるようです。

機能不全家庭も少し詳しく話しましょう。たとえば、親が虐待をしている家庭、アルコール依存症の親がいる家庭、夫婦仲が険悪などの家庭問題を持つ家庭、過保護・過干渉の家庭。そういう場合が多いようです。

そうした環境にあると、本来安心安全であるはずの家庭が、その機能を果たせなくなります。機能不全家庭となる確率が高くなって、子供は心身を十分に守られず、愛情を受けることができず、さらには十分な教育を受けないまま成長してしまいます。その結果、成人してからも社会や人間関係に上手く馴染めなかったり、子供時代の心的外傷に苦しみ続けることになるのです。

アダルトチルドレンにも様々なタイプがあります。家庭の環境によっては家庭を円満にしようと、幼少ながら自らがんばってきた結果、それが性格やこころの持ち癖を持ってしまって悩む人が多いようです。大人になっても次のような感情が根底にあって、改善する余地も方法もなく、途方に暮れてしまう人は多いようです。

● アダルトチルドレンの特徴的な感情
 ・自分には価値がないと思ってしまう(自分が嫌い)
 ・自分の感情が分からない
 ・自分の意見がない
 ・常に虚しさを感じてしまう
 ・完璧を求めすぎてしまう
 ・相手との距離感がうまく取れない
 ・相手に依存してしまう
 ・寂しさをまぎらわせるため何(誰)かに依存する傾向がある
 ・損得で人を判断してしまう
 ・人に本当の自分をさらけ出せない
 ・幸せになると罪悪感を感じてしまう
 ・常に相手の顔色をうかがってしまう

親に自分の事を言えないどころか、自分のほうが悪いのだと自己を責める事も多いのが大きな共通する特徴といえます。よって、自分を認め自分に主体性を持ったり心の中に仕舞いこむ癖を変えていく事ができれば、心の傷を癒して精神疾患の治療というか解消に向かっていくことになります。

このような精神疾患や疾患とまではいかなくでも、無為な罪悪意識で悩んでいる人は、外部の助けを受け入れる準備が整っているようなもの。カウンセリング。場合によっては、薬物療法等で時間や労力がかかりますが、ちょっとの覚悟で治療に望む事も難しくないようです。しかし主体は本人です。他人任せではなく、あくまでも自分で自分の心の傷と向き合って、変えて行くという決心は必要なようです。

丁寧にゆっくり時間をかけて向き合っていれば糸口がみつかり改善していく事も多い。苦しみから解放されることを諦めないで、治療してくことが大切です。

幼児退行になる主な原因は何?

幼児退行の原因は主に幼少時代に深く関係しているようです。脳障害やうつ病、認知症の症状にも幼児退行がみられる場合があります。過去の精神的トラウマから、なんでも自分に原因あると思い込んでしまうクセがあるのです。

幼児期に受けるトラウマの体験は幼児退行に影響することがあります。よくある例では、自分がお兄ちゃんやお姉ちゃんであり、下に妹か弟が出来た場合、周りの大人の自分への態度も変化します。ちやほやの対象が下の子に移ってしまうショックに「自分は必要の無い子供なんだ」と悪いように捉えてしまいます。

そうしたことが積み重なった結果、なんでもかんでも自分に原因があると思い込んでしまう事も多いようです。幼児期のトラウマの感情と向き合うことは、幼児退行を改善するにはとても重要で避けては通れません。